背景
アステラスグループ全国の拠点、工場、研究施設で管理対象となる固定資産は9万点以上。「Convi.BASE」導入1年目で、紙ベースの台帳管理に費やされてきた膨大な時間とコストの圧縮、見落としや転記ミス防止による精度向上に加え、遊休資産の見える化、業務関連手続きのデータベース化など、予想以上の成果が見えてきました。グループ全体の人事・総務・購買・設備・研究支援などの実務を支える「アステラスビジネスサービス」の企画部設備担当部長・有場氏にお話を伺いました。
クライアントの要望を的確に実現
――「Convi.BASE」導入の意図は?
有場氏:
管理すべき資産は建物、什器、研究設備から植栽まで多岐に亘ります。監査をクリアできる管理レベルを維持するために第三者立会いの棚卸しを義務付けてきました。本来であれば実際の使用者に対して第三者である私たち「アステラスビジネスサービス(以下ABS)」が全て立会う事ができればいいのですが、棚卸期間が1ヶ月ほどしかなく、ABSだけのマンパワーでは対応できない為、第三者となりうる研究員の方々に立会いをお願いしていました。このような対応で1事業所あたり数千時間の人的、時間的コストを費やして毎年棚卸しをしてきたわけです。各事業所の現場担当者(主に研究員)は立会い前に事前チェックをしますから実際には二度手間になります。まとめるABS事務局もまた約9万件分の台帳のページをめくって確認しますが、どうしても追求しきれない不明点や見落としが残ります。この改善を目指して「Convi.BASE」を導入、運用を開始しました。
――競合製品の中から「Convi.BASE」 を選択された理由は?
有場氏:
導入コストの低さと、カスタマイズなどの要望に迅速・柔軟に対応してもらえたことです。ほとんどの要望が実現されています。サポートのレスポンスがよく、充実しているのもよいですね。
ネットレックス:
クライアント様への導入担当者や日常接する営業担当者がその過程で得た情報もサポートチームにフィードバックし、お客さまごとに的確な対応が取れるよう努力しています。必要に応じて技術チームも加わって対応し、その情報も以後のサポートに活かすようにしています。お客さまごとのカスタマイズなどの情報はデータベース化して、関係者間で共有しています。いつどのお客さまからお問い合わせがあっても対応できる体制を整えています。
――どのようなカスタマイズをされたのでしょうか?
ネットレックス:
アステラス様のご要望による最大のカスタマイズはラベルのバーコードを基本仕様の1次元バーコードからQRコードにしたことです。これは初めての試みでした。
――管理ラベルのQRコード化を希望された理由は?
有場氏:
QRコードならテキスト情報を全角で1,000文字程度は入れられるため、さまざまな補足情報も付けられます。また、基本仕様では作業にあたり担当者が一覧表示から自分の名前を選ばなくてはなりませんが、QRコードにすることで担当者名も各自のIDカードをスキャンするだけになり、位置情報も各部屋につけられたQRコードを読めばよいので、誰が、どこで棚卸しをしたかが確実に管理でき、ヒューマンエラーも少ないと思います。
棚卸しのスピード化と本来業務の充実
――社内の他のシステムとの連携は?
有場氏:
会計には他社の固定資産管理システムを導入していますが、そのデータを取り込めるよう「Convi.BASE」をカスタマイズし、スムーズに使用しています。棚卸し結果の会計システムへの反映には規定上申請が必要ですがその書類作成も自動化していただき、事務処理もスピードアップしました。
――運用開始後約1年ですが経過はいかがでしょうか?
有場氏:
2011年8月に運用開始し、約3ヶ月でグループ全体の固定資産の約半分にあたる45,000件を登録しました。2年目の今年で全資産約90,000件の登録完了を予定しています。全体では棚卸し業務にかかる時間を1/3に圧縮するのが目標ですが、担当者が以前37時間要していたところ、「Convi.BASE」導入後、10時間に短縮された実績があり、十分達成可能と考えています。
――社員の方の「Convi.BASE」への評価は?
有場氏:
成果はこれからですが、研究開発施設なども多く、棚卸しにかかる手間と時間が大幅に軽減され、本来業務へ集中ができると評価を受けることができるものと期待しています。第三者の立会いも不要となり、スキャナでQRコードを読むだけのペーパーレスですむわけですから。
柔軟性を活かして幅広く活用
――棚卸し以外の業務にも利用されているそうですが?
有場氏:
例えば冷蔵庫など、少額資産として処理される備品管理にも利用しています。所在のほかに現況の要・不要のフラグがつけられるので資産の有効活用に役立ちます。グループ全体の備品を通し番号で管理しているので自動発番できるのが助かります。また、業務関連手続きのデータベースにも使用しています。「法的マトリックス」と呼んでいますが、会社運営上必要な諸手続きをまとめたものです。例えば設備などを新設する場合、必要な届出の期日、方法、内容などを誰でも一目でわかるようにまとめています。まだトライアル段階ですが、「Convi.BASE」上でウェブ環境を使用して展開しています。経験の浅い人でも必要な諸手続きを知ることができ、引継ぎもスムーズになる事を期待しています。他にもエクセルで台帳管理してるものをいくつか「Convi.BASE」に置き換えたいと考えています。
――「Convi.BASE」に今後期待されることは?
有場氏:
Windows7への対応と、処理のさらなるスピードアップでしょうか。現実にはWindows7上で使えていますが、Windows側から無用なエラーメッセージが表示されたりするのが気になります。処理時間は階層が深いというアステラス特有の管理体系によるようですが、速くなればありがたいですね。
ネットレックス:
「Convi.BASE」は2005年にリリースし、お客様のご要望をフィードバックして改善を重ねてきた製品です。今後もこうしたご意見を反映し、よりよい製品作りにつなげていきたいと思います。
※本事例中に記載の所属・役職・社名および内容はインタビュー当時のものとなります。詳細はお問い合わせください。
お客様の会社概要
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「先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する」ことを経営理念に掲げ、研究開発型のグローバル製薬企業として積極的に事業展開するアステラス製薬。17,000名以上の社員に支えられ、有効性と安全性の高い医薬品で世界の人々の健康に貢献し、企業価値を持続的に向上させることを目指します。