背景
「漢字検定(漢検)」や年末恒例の「今年の漢字」で知られる日本漢字能力検定協会。2013年4月1日から公益財団法人として新しいスタートを切り、日本語・漢字に関わる「普及啓発・支援活動」「調査・研究活動」「日本語能力育成活動」を3つの柱として活動しています。同協会は、京都本部、東京事務局の主に2カ所の拠点を持っていますが、備品類は、各拠点・部署ごとにそれぞれが管理していました。それをまとめて整理するために導入された「Convi.BASE」ですが、当初は想定していなかった書類の廃棄においても、重要な役割を担うこととなりました。
今回は、システムの導入から運用までを担当した財務経理部 施設管理課 田中 実 氏に話を伺いました。
拠点・部署でバラバラだった備品の管理を統一するため「Convi.BASE」を導入
―― 「Convi.BASE」を導入されることになった背景をお聞かせください。
田中氏:
当協会は、京都、東京の主に2箇所に拠点があります。また、京都の本部では、漢字に関する資料の収集・展示を行っている「漢検 漢字資料館」を運営しています。導入前は机、椅子などの備品は、各々の拠点の担当者が管理していましたが、協会として、備品だけでなく資料館の展示品や固定資産も含め全体で一元管理する必要があるということから、システムを探していました。そこで、当協会の情報システム部門に相談したところ「Convi.BASE」の紹介を受け、私達が求めているシステムはこれだと思い、私が開発元のネットレックスさんに直接連絡し、説明を受けて、導入することになったのです。システムは2011年の1月から稼働し、現在管理点数は約2,200点となっています。
――具体的には「Convi.BASE」をどのように活用されているのでしょうか。
田中氏:
各部署で購入した備品すべてにバーコードが印刷されたシールを貼り、必要なデータを入力して管理しています。資産台帳上の管理番号があるものについては番号もあわせて印刷するようにしています。導入当初は、シールが貼れるものだけを管理していたのですが、現在は建物など現物にシールを貼れないものも管理しています。
導入した「Convi.BASE」を個人情報の含まれた重要書類の廃棄管理にも活用
――備品管理だけでなく、重要書類の廃棄管理にも活用されていると伺いましたが。
田中氏:
はい。もともと、Convi.BASEは備品管理を目的に導入しましたが、利用しているうちに、重要書類の廃棄管理にも活用できそうだと思いついたのです。当協会では、膨大な数の個人情報が含まれた書類を扱います。例えば、漢検の志願者数は年間220万~230万人に上りますので、その申込書類だけでも膨大な数になるのです。こうした書類は、一定期間保管することが義務づけられていますが、それを過ぎた書類は、確実に廃棄しなければなりません。
――具体的には、どのように利用されているのでしょうか。
田中氏:
当協会ではゴミを4種類に分けています。資源ゴミ、産業廃棄物、シュレッダーゴミ、日常ゴミです。このうち、個人情報などの含まれた重要書類がシュレッダーゴミとして扱われます。重要書類は各部署で管理し、廃棄する際は段ボール箱に入れて、セキュリティーの高い専用の倉庫に集めたあと、専門の廃棄業者に処分を依頼する流れになっています。そこで、シュレッダーゴミが出た際、Convi.BASEで予め発番し発行したラベルシールと書類の内容を確認・入力したうえで、必ず各部署の担当者に渡して、段ボール箱にシールを貼り、倉庫に置くという運用に変更しました。これにより、廃棄業者がゴミを受け取りにくる前日、倉庫に集まった段ボール箱のバーコードを読み取ると、廃棄予定の書類が確実に置かれているかどうか、簡単に確認できるようになりました。
職員の意識変化で遊休品の活用がすすみ、重要書類の廃棄もスムーズかつ確実に
――システム導入の効果はいかがだったでしょうか。備品管理と重要書類の廃棄管理、両面での効果をお聞かせください。
田中氏:
以前は、資産台帳に載っているものについては、処分後に資産台帳に反映されるまで時間がかかったのですが、Convi.BASEを導入し、備品にシールを貼るようになってからは、スムーズな流れで処理がなされています。また、職員の意識も確実に変わり、すべての備品を管理部門がConvi.BASEを使って確認していますので、無駄を省くことが出来るようになりました。
――それは大きい変化ですね。重要書類の廃棄についてはいかがでしょうか。
田中氏:
以前は廃棄業者に渡す際、一つひとつ数を数えていたので時間がかかりましたが、今は箱に貼ってあるシールのバーコードを専用の機械で読み取るので、大幅な時間の短縮ができるようになりました。このように、作業担当者の負担が軽減されたのが大きな効果です。また、重要書類に対する職員の意識が向上しました。
データベースの項目を見直して、さらに柔軟な備品管理を検討中
――「Convi.BASE」の今後の活用については、いかかでしょうか。
田中氏:
我々の事業活動では、個人情報の保護が何よりも大切です。その中で、Convi.BASEが果たす役割は今まで以上に大きいと思います。引き続き、Convi.BASEを重要書類の廃棄管理に活用していく予定です。一方、備品管理については、管理項目を少し見直しているところです。Convi.BASEでは、データベースの項目をユーザーが自由に定義できますので、管理項目を少し見直すことで、さらに柔軟な備品管理が可能になるのではないかと思っています。
――今後の「Convi.BASE」に期待される機能はありますか。
田中氏:
Windows XPからWindows7への移行も完了しましたので、今のところ特に強い要望はありません。ただ、現在は、備品管理と書類廃棄のデータベースが2つに分かれているため、切り替えて利用しなければならないのが少々面倒です。最新のクラウド版「Convi.BASE」であれば、1つのデータベースで運用できるということですので、そのあたりは今後の検討課題になると思います。ネットレックスさんには、引き続き、いろいろとご相談に乗っていただければと思います。
※本事例中に記載の所属・役職・社名および内容はインタビュー当時のものとなります。詳細はお問い合わせください。
お客様概要
公益財団法人 日本漢字能力検定協会
http://www.kanken.or.jp/
日本語・漢字に関する普及啓発・支援、日本語・漢字に関する調査及び研究、日本語・漢字に関する能力育成を3つの柱として、さまざまな事業を行っています。
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