契約書管理の重要性を理解し、業務効率アップを目指す

契約書管理の重要性を理解し、業務効率アップを目指す

 
文書管理において、特に慎重な取り扱いが必要とされる契約書の管理。契約書は、ただ単に「保存」するだけでは不十分です。大切な契約書を紛失などのリスクから守りつつ、いつでも取り出して確認できる状態にし、業務効率を上げるためには、どのような管理を行えばよいのでしょうか。ここでは、契約書原本の管理に焦点を当て、誰でも簡単にはじめられる契約書管理の方法を紹介していきます。
 

■そもそも契約書管理とは

契約書管理とは、個人や組織が保管する契約書を、明確なルールや仕組みにもとづいて管理することです。「明確なルールや仕組みにもとづいて管理する」というのは、具体的に言うと以下の3つの要素に集約できます。

  1. 契約書情報の共有ができるようにする
  2. たとえば取引契約書。取引の交渉には営業担当があたりますが、契約書の内容は法務担当や経理担当が確認したり、ひな形を用意したりする必要があります。また、複数の営業担当がいる場合、他の担当者が結んだ取引契約の内容を別の担当が確認したいというシチュエーションは必ず出てくるでしょう。

    各個人が契約書をバラバラに管理していると、他の担当者との情報共有に必要以上の手間がかかってしまいます。そういうことのないよう、契約書をシステマティックに共有し、作成や締結、確認を管理する必要があります。

  3. 契約書の期限管理を行う
  4. 多くの契約書には、契約期間が規定されています。条件にもよりますが、契約期限が過ぎたら自動的に契約が更新されてしまったり、あるいは契約解除となってしまったりすることがあります。契約期限はきちんと管理し、必要に応じてすぐにアクションできるよう準備しておく必要があります。

  5. 契約書へのアクセス制御を行う
  6. 契約書は、複数の部署で共有するべきものばかりではありません。労働契約書のように、閲覧できる人を限定したいものもありますよね。契約書ごとにアクセス権限を設定しておくことも、契約書管理の一部と言えます。

 

■なぜ契約書管理が必要か

不動産売買契約書、物品売買契約書、建物使用貸借契約書、顧問契約書、業務委託契約書…… 契約の成立やその内容を証明する契約書は、厳重に管理すべき重要文書です。では、なぜ契約書は厳重に管理すべきなのでしょうか。

ひとつには、リスク管理のため、という理由が挙げられます。
契約書には、契約に関する規約や条件が詳細に記載されています。万が一、契約の相手方が契約内容に反することをした場合、契約書の記載内容をもって損害賠償を請求したり、直ちに契約を解除したりといった措置を取ることで、自社を守る必要があります。

しかし、契約書が厳重に保管されていないとどうなるでしょう。
もし契約書を紛失していたら、契約条件や期間を確認することができず、必要な措置を講じることができなくなるかもしれません。

また、紛失していなくても、必要なスタッフ間で契約書の内容が共有されていなければ、現場の担当者が相手方の契約違反に気が付かないまま取引を進めてしまい、結果的に自社が不利益を被ってしまう可能性もあります。
あるいは、誰かが勝手に契約書を持ち出しても誰も気づかず、機密情報が漏えいしてしまう危険性もあります。

こうしたリスクを避けるためにも、契約書の厳重な管理、すなわち、「契約情報の共有」「契約書の期限管理」「契約書へのアクセス制御」を厳重に実施しなければならないのです。

もうひとつには、業務効率アップという理由が挙げられます。
たとえば、契約書の保管を各担当者や各部門がそれぞれ個別に行っている場合。他部門が主導して締結された契約書の内容を参照しようとしても、保管場所や保管方法がバラバラでは見つけるのに時間がかかってしまいます。

契約書管理を行い、情報をデータ化して検索できるようにしておけば、営業担当者が契約内容を確認する際、その都度原本を探す手間がかかりません。社内の情報共有が密接になるので、問い合わせにも迅速に対応できますね。

また、過去の契約書を簡単に参照できるようにしておくことで、契約締結や契約解除の期日を事前に
把握できるようになります。最適なタイミングでの追加提案や新サービス紹介などのアクションを起こしやすくなるため、ビジネスチャンスの拡大にも繋げられるのです。
 

■契約書管理の方法は?

契約書管理でいちばん手間がかかるのは、一番はじめの契約書管理の仕組みをつくる段階ではないでしょうか。ただ、一度仕組みをつくり、軌道に乗せてしまえば、あとはルールに則った運用がなされているか定期的にチェックするだけでよいので、運用段階で発生する手間はさほど大きくありません。

以下の手順にしたがって作業を進めれば、無駄な手間をかけず契約書管理の仕組みを作ることができます。

  1. 管轄部門・担当者の決定
  2. 契約書管理台帳の作成
  3. 現在保管している契約書の棚卸し・台帳登録
  4. 契約書管理規定の策定

それでは、以下で詳細を解説していきましょう。
 

◇管轄部門・担当者の決定

まずは、契約書管理を行う部門・担当者を決めましょう。
この時に、契約書管理の目的やゴール、管理を行うことのメリットなどをメンバーが共有・理解していることが大切です。
 

◇契約書管理台帳の作成

担当者が決まったら、体制作りを進めていきましょう。まずは、契約書管理台帳の作成です。
契約書管理台帳とは、契約書の電子データや内容、保管場所を管理するための帳簿です。自作する場合にはExcelなどの表計算ソフトを使用して作成されることが多いようです。
以下で、Excelを使った契約書管理台帳を作成する際に用意すると良い項目について、紹介していきます。
 

①契約番号
各契約書に振るID番号です。各契約書を区別したり検索したりする際に役立ちます。

②契約名
契約書の題名です。「業務委託契約の締結」、「資材取引基本契約」、「監査契約各契約」など、契約書に明記されている題名を入力する欄になります。

③契約書種類
何に関する契約か、カテゴライズするための項目です。「売買」「総務」「知財」「労務」など、自社にあった分類方法を考えておくと整理しやすくなります。

④締結先名
契約を締結する相手方の名称を入力しておきます。

⑤担当者
契約を進めた担当者の名前を入力しておきます。万が一、その担当者が退職することになった場合に、契約書管理台帳をもとに契約の引き継ぎ作業ができるので役に立ちます。

⑥契約締結日
契約が締結した日を入力しておきます。

⑦自動更新有無
自動更新の有無を入力しておきます。

⑧契約開始日・契約終了日
契約開始日と終了日を入力しておきます。自動更新欄を参照し、契約更新や解約があった場合は随時書き換えておきます。

⑨契約解除通告期限
解約する場合の通告期限を入力します。期限が近づいている契約を素早く抽出し、担当者にメール送信ができるような体制を作っておきましょう。

⑩原本保管場所
原本の保管場所について入力しておきましょう。
管理されている場所を明記しておくことで、原本を参照する際や棚卸しで確認する際に探し出す手間を減らすことができます。

 

契約書管理台帳テンプレート by コンビベース

「管理台帳を自作するのは面倒くさい!」という方のために、弊社の物品管理システム「コンビベース」の契約書管理台帳をベースに、Excelの管理用台帳テンプレートを作成しました。ぜひダウンロードしてご活用ください。

契約書管理台帳テンプレート ダウンロードはこちら

 

◇現在保管している契約書の棚卸し・台帳登録

次は、現在保管されている契約書の棚卸しを行います。

棚卸しでは、契約書の内容を1つずつ確認し、作成した台帳に入力していきます。この棚卸しの段階で、台帳にある全ての項目をチェック・入力するのが理想ですが、契約書の数が多い場合には時間がかかってしまい、現場に負担がかかってしまいます。そのような場合には、棚卸しを始める前に必要最低限チェックすべき項目を決めておき、その項目を優先的に確認・台帳へ入力するという方法も良いでしょう。
必要な項目に情報の入力が済んだら、一旦「棚卸し・台帳登録」の工程は終了です。次の契約書管理規定の策定」に移りましょう。

運用段階に入ったら、毎年1~2回、定期的に契約書の棚卸しをすると良いでしょう。新たな契約書がどこにどれだけ保管されているか再確認する他、契約書の記載内容の確認、失効した契約書の仕分けなどを行うためです。
 

◇契約書管理規定の策定

契約書管理規定は、契約書のライフサイクルに沿って、関わる社員全員が守るべきルールとして作成します。
契約書のライフサイクルとは、「発生→伝達→保管→保存→廃棄」、つまり、文章が作成されてから消滅するまでのプロセスのことを指します。
以下で、段階ごとに、規定すべきルールの一例を紹介していきます。

  1. 発生
  2. 契約書を作成・収受(受け取り)した場合のルールを取り決めます。契約書はソフトウェアで作成される場合と紙で作成される場合がありますが、ここでは紙の契約書を想定したルールをご紹介します。

    • 件名・日付・作成者など、文書の記載事項
    • 件名のつけ方
    • 書式や文体
    • 綴じ方
    • 収受した際の置き場所や開封権限など
  3. 伝達
  4. 発生した文書を、回覧・配布する際のルールを盛り込みます。

    • 文書の承認ルート
    • 承認済み文書の処理ルール(押印など)
    • 承認済み文書の社外発信時の手段(メール、FAXなど)についてのルール
    • パスワード設定など、発信手段ごとの注意事項
  5. 保管
  6. 契約書の保管場所を定め、組織的な文書管理実施に向けたルール設定します。業務の中で頻繁に使われる文書や、利用される見込みが高い文書は必要な時にすぐに使える場所に保管すると業務効率が高まります。

  7. 保存
  8. 法的に保存年限が決められている文書は、一定期間保存する必要があります。中には半永久的に保存しなければならないものも存在します。所定の期間、文書が保存されていないと、罰則が適用されることにも留意して、適切なルールを設定しましょう。

  9. 廃棄
  10. 不要になった契約書はシュレッダーにかける、など情報漏えいを考慮し、安全に処分するための方法を明記しておきましょう。

    ここで紹介したのはあくまで一例ですが、イメージはつかんでいただけたと思います。ポイントは、各ライフサイクルに分けて業務フローやルールを規定するということ。
    各スタッフが管理規定通りに運用できるよう、できるだけ簡単に、分かりやすい規定をつくり、規定通りに運用されているか定期的にチェックするようにしましょう。
     

    ■契約書管理システムで契約書管理をさらに効率化しよう

    ここまで契約書管理について解説してきましたが、いかがでしょうか。いままで契約書管理について何もやっていなかったという組織であれば、1から体制をつくろうとすると、かなり大変な作業になりそう…… と思ってしまうかもしれませんね。

    とはいえ、組織が大きくなればなるほど、取引が増えれば増えるほど、契約書をきちんと管理する必要性は高まります。今はきちんとできていなくても、組織が育っていくと、いつかは必ずやらなければならなくなる業務のひとつです。

    「でもやっぱりそこまで時間を割けるリソースがない」という場合、おすすめしたいのは専用の管理システムを用いた方法です。たとえば弊社が提供している「コンビベース」では、契約書原本を管理していくために必要な機能が揃っています。
    たとえば「コンビベース」では、契約書に書類管理用のICタグやバーコードを貼付することで、台帳上のデータと原本をしっかり紐づけます。棚卸しの際には、貼付されているICタグ・バーコードを読み取るだけの作業になるので、少ない人員・時間で棚卸し作業ができるようになります。

     
     
    ◆◆さて、いかがでしたでしょうか。
    契約書管理の必要性は感じているが、コストや従業員の負担などが気になり管理体制を整えられないという声も聞こえてきます。しかし、きちんと管理体制を整えた後は、業務効率が大幅に改善され、コストや労力の削減が現実のものとなります。

    契約書管理でお困りのことがございましたら、まずはお気軽にお問い合わせください。
    このブログが皆様の「モノの管理のヒント」になれば幸いです。