背景

長野県信用農業協同組合連合会(以下、長野県信連)は、長野県内の農業協同組合の信用事業を統括する金融機関であり、長野県下のJA から資金を預かり、運用するのが事業の柱です。金融機関では、毎年、膨大な文書を作成しますが、その多くは一定期間の保存が法律等で義務づけられています。長野県信連でも、長年、文書をダンボール箱に入れて保存してきましたが、すべて手作業であったため、作業効率や管理の正確性の観点で、いくつか課題も抱えていました。それを解決したのが「Convi.BASE」です。
文書管理を担当している総務部の皆様に、その経緯と詳細を伺いました。
重要書類を保管した約3000個の文書箱管理が問題に
――「Convi.BASE」を導入されることになった背景をお聞かせください。
伏見氏:
当会は、長野県JAバンクの県域機能を担う地域金融機関です。このため、保存期間の定められたさまざまな書類を厳重に保管することが求められています。保存が必要になった文書はダンボールの文書箱に入れ、中身を記した個票を箱に貼って倉庫に入庫します。その後は、保存期間の過ぎた箱から、順次、廃棄するという運用を行っています。現在、こうして保存されている文書箱は約3000個にのぼります。しかし、すべて人力による運用だったた め、今から約3年前、業務外の時間を使い約1ヶ月をかけて棚卸しを行い、保存した文書箱が本当にあるのかどうかを確認してみました。すると、入庫手続きはされているのに倉庫に入っていなかったり、本来あるべき場所に置かれていない箱が見つかったりしました。そこで、文書箱の入出庫をさらに厳格化するとともに、棚卸し作業そのものを効率化できる現物管理のソリューションを検討することになったのです。
――そこで選択されたのが、「Convi.BASE」だったのですね。
伏見氏:
はい。いくつかの企業にシステムの提案をお願いしたのですが、現物管理の提案をしていただいたのは凸版印刷さんだけでした。そのシステムが、「Convi.BASE」だったのです。導入決定は2012 年の1 月で、2012 年5 月から稼働を開始しました。

「Convi.BASE」の導入で入出庫の厳格化と棚卸しの作業効率化を実現

――具体的な活用方法を教えてください。まず、入出庫の場合はどのように活用されているのでしょうか。
松下氏:
入庫の場合、各部署から総務に保存申請がきたらIC タグを作って各部署に渡します。各部署は、書類を入れた文書箱にIC タグと個票を貼り付け倉庫に持って行きます。同時に、総務の担当者がハンディ端末を持って倉庫に行き、ICタグを読み取って入庫されたことを確認します。出庫の場合は、ほとんどが廃棄のケースになります。まず、各部署から廃棄の申請がきたら、総務で「Convi.BASE」の該当データのステータスを「出庫待ち」にします。その後、地下倉庫から文書箱を出庫するときハンディ端末で箱のIC タグを読み取り、間違いがないか確認します。
――棚卸しについてはいかがでしょうか。
松下氏:
総務の担当者1、2 名が地下倉庫に行きハンディ端末でICタグを読み取っていきますので、半日もあれば終了します。もしも、手作業で実施したら1 週間はかかると思いますので作業は大幅に効率化できました。また、「Convi.BASE」導入後に規程を変更し、入出庫時の確認に加え、年に2 回、棚卸しを実施することにしました。これにより、従来よりもはるかに厳格な管理が可能になりました。

中)文書箱に貼り付けられたICタグ。左側は文書箱の中身を記す個票
右)文書箱のICタグを読み取るハンディ端末。ハンディ端末は2台が導入されている。
運用に合わせてテーブルやビューをカスタマイズできる高い柔軟性
――「Convi.BASE」の使い勝手については、どう評価されますか。
伏見氏:
テーブルやビューの変更が自由で、運用に合わせてカスタマイズできる点が便利ですね。たとえば、導入当初は日付項目を西暦にしたのですが和暦の方がわかりやすいという各部署担当者の要望を取り入れて和暦に変更しました。また、CSVデータの入出力ができるのも助かっています。1 箱、2 箱なら問題ないのですが、年度末になると一度に100 箱以上も入庫申請があることも珍しくありません。そのような場合はExcel 等でCSV データを作り、「Convi.BASE」にインポートしてデータを一括登録しています。
――各部署の皆さんの反応はいかかでしょうか。
伏見氏:
各部署の手続きは、これまでと大きくは変わっていません。IC タグを貼らなければならない分、手続きは少し面倒になったかもしれません。しかし、「Convi.BASE」導入後は、総務側から各部署に対して廃棄予定の文書箱を提示できるようになりました。これまでは、各部署の担当者が、箱に貼ってある個票を1 つ1 つ確認して廃棄する箱を選別していましたので、その分、作業は楽になったと思います。誤廃棄のリスクも低下しましたので、担当者も安心して作業できるようになりました。
文書の電子化は進んでも、モノの管理はなくならない
――文書管理の厳格化という観点では「Convi.BASE」の評価はいかがでしょうか。
小林氏:
文書の誤廃棄のリスクを確実に低減でき、手続き上のミスも減らせた意義は大きいと思います。もちろん、1 週間かかっていた棚卸しが半日で終わるようになりましたので、作業も大幅に楽になりました。コンプライアンス的にも業務の負担軽減という観点でも、導入した意義は十分あったと評価しています。
――「Convi.BASE」の今後の活用についてお聞かせください。
小林氏:
現在は、ペーパーレスをはじめとする電子化が進んでいます。金融機関でもそのトレンドは変わらないと思います。しかし、いくら電子化が進んだとしてもモノは必ず残ります。大きなモノから小さなモノまで含めると、かなりの量になりますので、それを総務部門で集中管理するとなると大きなマンパワーが必要です。その意味でも、モノの管理を省力化できる「Convi.BASE」には、これからも期待しています。今後は、文書管理だけでなく備品管理などでも活用できるのではないかと考えています。
――本日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました。

総務部 総務課 課長 小林雅幸 氏
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