日産自動車株式会社 様

固定資産の棚卸し結果の可視化と管理精度の向上を実現

  • 業種
    製造業
  • 拠点数
    1拠点
  • 管理対象
    固定資産
  • 管理点数
    約20,000点
  • 課題
    棚卸し効率化・正確性の確保
  • 導入
    システム
    棚卸し(バーコード)

会社概要

追浜工場 工務部 生産課
課長代理 堀井 健司 様、 河野 吉貴 様
追浜工場 工務部 工務課
大川内 雅俊 様、 堀口 凌太郎 様、 平井 恵海 様

日産自動車株式会社様は、「他がやらぬことをやる」という創業以来の精神のもと、革新的な商品・技術の開発に取り組んでいます。常にイノベーションの追求に情熱を注いでおり、人々の生活や移動のあり方を変革し、新たな価値を生み出すその精神は、日産自動車様社員のDNAに刻まれています。

< 導入工場:追浜工場様 >

東京湾に面した神奈川県横須賀市の地で1961年に操業を開始した歴史ある追浜工場は、電気自動車をはじめ先進運転技術を搭載したクルマをいち早く生産に繋げ、その技術をグローバルに展開し、日産のマザー工場として日産のクルマづくりをリードしています。

操業当時から受継がれる「お客様に最高の満足をご提供する」思いを原動力に、人材育成や最新技術の導入に意欲的に取り組んでいます。

約20,000点の固定資産を東京ドーム約37個分の広大な敷地内で所有されており、アナログで精度が低く、データ管理されていない棚卸しを課題視されていました。そこで、棚卸しのデジタル化で管理精度を向上すべく、2021年7月から解決策の検討を始め、2022年4月にConvi.BASEを導入。その後準備期間を経て、2022年11月には公認会計士から新しい棚卸し監査の許可も得ています。 今回はConvi.BASE導入のきっかけや効果等についてお聞きしました。

記事インデックス
  1. 導入の背景
    デジタル化による棚卸し結果の可視化を目指して
  2. 導入の決め手
    ユーザーフレンドリーな操作と課題解決型の提案
  3. 導入による効果
    「なぜもっと早くやらなかったのか」と嬉しい声
  4. 今後の展開
    固定資産管理の更なる精度向上と運用定着

導入の背景

デジタル化による棚卸し結果の可視化を目指して

―― Convi.BASE導入の背景を教えてください。

堀井氏:当工場には約20,000点の固定資産がありますが、データ管理ができておらずアナログな棚卸しに苦労していました。そこで管理精度向上を図るべく全棚卸し結果の可視化をしたいと考え、今までなされていなかったデジタル化を検討し、固定資産棚卸しに特化したツールを探しはじめたのがきっかけです。付随効果として棚卸しを実施する各担当部門の皆さんの工数削減もできたらと思っていました。

―― 棚卸しにはどのような課題がありましたか。

堀井氏:Convi.BASE導入以前の棚卸しは、まず本社から送られてくる約20,000点の棚卸し現品票を管理部門で仕分け、各担当部門に配布します。現品票は半分に切れるようになっているので、各現場で現品票の半分を棚卸し対象に貼付し、残り半分を控えとして管理部門に返却するという方法で行っていました。現品票の控えが管理部門に戻れば棚卸しが完了しますが、現品票が半分に切られずそのまま返却されることもあり、その場合は現品票を貼付するはずの現物がなかったということになります。

この方法では、棚卸し準備で現品票 約20,000枚の仕分けと配布に手間がかかる、各現場での現品票の貼り換えに膨大な工数がかかる、現品票の控えが戻るまで棚卸しの状況が見えない、現物が実際にあるかどうかが把握しづらい、などのアナログならではの問題がありました。 これらの課題を解決すべくWebで調べていたところ、Convi.BASEを見つけました。

導入の決め手

ユーザーフレンドリーな操作と課題解決型の提案

―― Convi.BASEを採用された決め手を教えてください。

堀井氏:数社の製品を比較検討しましたが、Convi.BASEを採用したポイントは2つあります。

1つは、UI/UXが優れている点です。従来からよくあるような古いシステムと違い画面が見やすく、ユーザーフレンドリーで使いやすいところが気に入りました。管理部門だけでなく現場の人にとっても使いやすさは重要です。運用開始後でも管理台帳の管理項目を管理部門が自由に設定変更できる柔軟性も良いと思いました。

もう1つは、ネットレックス担当営業の方が優秀だったことです。検討を進めるにあたりスピードが重要でしたので、質問に対してすぐ返事をくれるレスポンスの速さは大切でした。また、システムベンダーとしては製品を押して提案するのが普通だと思いますが、ネットレックスさんは弊社の課題に対して「こうすれば解決できる」と、課題解決型の営業スタイルで親身になってくれたのがありがたかったです。

―― 一括読み取りできるICタグでなくバーコードを採用されたのはなぜですか。

堀井氏:時代的にもICタグが便利であり、棚卸し対象を一括で読み取れるメリットは知っています。しかし、弊社では棚卸し時に固定資産の稼働区分を1点ずつ確認する必要があるため、ICタグのメリットが反対にデメリットになってしまうのです。そのため、棚卸し対象に貼られたバーコードラベルを1点1点読み取り、その際に固定資産の稼働状況を登録できる方法を採用しました。

社内コンプライアンス上スマホを使用した棚卸しはリスクが高いと判断し、現場が比較的使い慣れている専用のバーコードリーダーを採用しました。

導入による効果

「なぜもっと早くやらなかったのか」と嬉しい声

―― 2022年4月に導入され導入効果はいかがですか。

河野氏:棚卸しの進捗を知るには、従来だと現品票の控えが戻るのを待つしかありませんでしたが、棚卸しの進捗状況をデータで可視化できるようになったのが嬉しいです。進捗が悪ければCSV出力してExcelで管理し、現場に提示できるのも良いですね。また、バーコードを読み取る棚卸しのため、確実に現物があることがわかりますし、いつ実施されたかも把握できるのが大きいです。

他にも、写真を管理台帳に登録できるのもポイントです。固定資産1点ごとに、全体像、設置場所、管理ラベルの貼付位置がわかる写真を登録しています。これによって、初めて棚卸しをする人でも対象の固定資産がどこにあるか、管理ラベルがどこに貼られているかがすぐにわかり大変便利です。

堀井氏:付随効果として棚卸し工数も削減でき、おおよその数字にはなりますが以前の4分の1まで減少しました。これが今後何年にも渡って効果が持続することで、本業へ専念ができる点は大きいです。管理サイドとしても、出社して約20,000枚の現品票を仕分けて配布する等の作業がなくなったので、各段に楽になりました。紙の現品票そのものも廃止することができましたし。

―― 新しい仕組みを導入するにあたり、現場の反応はいかがでしたか。

堀井氏:「最初は大変だが導入後2年目からは必ず効率的になる」と何度も説明し理解を得ていたので、混乱も反対も多くなく、比較的スムーズに導入を進められました。私としてはいきなり棚卸し本番を迎えると失敗すると考えましたので、システム導入前後に準備期間を設けてしっかりプロジェクトマネジメントを行ったことが良かったと思います。私と大川内とで工場内の現状調査などを数値を用いてきちんと実施しておき、その後に半年ほどかけてConvi.BASEを選定しました。 現場サイドも心のどこかで現品票の棚卸しはやめたいと思っていたようで、実際に棚卸しを実施した後には「楽になった」「なぜもっと早くやらなかったのか」と言われるほど好評です。

今後の展開

固定資産管理の更なる精度向上と運用定着

―― Convi.BASEを活用した今後の展開はありますか。

堀井氏:工場が広く施設が分散しているため、現場から棚卸し階層の入力が面倒という声があがっていることをネットレックス担当営業に相談しました。すると、棚卸し階層をバーコード化して入力の手間をなくす方法を提案してもらえたので、次回の棚卸しから使用する予定で調整を進めています(階層バーコード機能)。

他にも色々と拡張できればと構想はありますが、まずは目の前の固定資産管理での細かい課題を一つずつ解決することが先決です。また、今後は棚卸しデータを蓄積していくことが可能なので、棚卸しの範疇に留まらず、固定資産管理全体にデータを活用・拡張することで、更なる精度向上と運用定着をしっかり行います。担当者が変わっても持続可能な体制を整えることを目指します。

―― 最後にネットレックスに向けて一言お願いします。

堀井氏: 冒頭でお話したとおり、スピード感をもって対応いただけたことはとても助かりました。もしレスポンスが遅ければ、今年度の導入は間に合っていません。日程の調整も柔軟に対応してくれて感謝しています。

※本事例中に記載の所属・役職・社名および内容はインタビュー当時(2023年3月)のものとなります。
※記載された会社名及び製品名は、各社の商標または登録商標です。

お客様の会社概要

日産自動車株式会社
〒220-8686
神奈川県横浜市西区高島一丁目1番1号
https://www.nissan-global.com/JP/

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